山椒の実はぬか床との相性の良い食材です。
ぬか床は米ぬかに塩と水を加えて乳酸発酵させることにより作られています。ぬか床は熟成に伴いおいしくなっていきますが、好みにより山椒の実や柚子などが加えられることもあります。あくまでも好みの問題はありますが、個人的には格段においしくなると感じています。
ぬか漬けにアクセントを加えたい場合には試してみる価値があります。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- ぬか床に山椒の実を加える効果は?
- 山椒の実をぬか床に加える場合の下ごしらえは?
- 下ごしらえした山椒の実の保存方法は?
山椒の実には華やかな香りとピリッとした辛さがあります。
サンショウはミカン科サンショウ属に分類されていることもあり、柑橘類特有の華やかな風味があります。ぬか床に加えることによりぬか漬けの風味はより華やかなものになりますし、ピリッとした辛味が付与されることになります。
また抗菌性や抗酸化性を有するために夏の暑い時期には特におすすめできます。
山椒の実の効果は?
山椒の実には華やかな香りと痺れる辛味があります。
主な辛味成分はサンショオールとサンショウアミドなど、精油成分はリモネンとシトロネラールなどになります。これらの香りと辛味はぬか漬けとの相性が良く、古くから親しまれている人気の香辛料になります。
また抗菌性や抗酸化作用を有しているため、気温の高い季節には積極的に利用していきたい食材でもあります。
- 辛味成分:サンショオールやサンショウアミドなど
- 精油成分:リモネンやシトロネラールなど
ぬか床には未熟な果実を用います。
山椒の実(山椒の未熟な果実)は初夏に出回る季節性の食材です。そのため旬の時期に1年分を入手しておく必要があります。そのまま冷凍する方法もありますが、基本的にはアク抜きをしてから冷凍保存や塩漬けにして常温保存します。
これによりいつでも山椒の実を加えることができるようになり、盛夏の異常発酵を防ぐためにも役立ちます。
ぬか床に加える山椒の実の下処理方法は?
ぬか床用の山椒の実は軽めにアク抜きをします。
山椒の実を食べるためのアク抜き(佃煮など)の場合は「10分水にさらす→10分茹でる→3~4時間水にさらす」などの方法がセオリーとされていますが、ぬか床に加える場合にはサッとゆでる程度にしてすぐに水にさらして粗熱を取ります。
しっかり水気を切ったら冷凍や塩漬けにします。
この方法は料理には不向きです。
山椒の実のアク(苦味やエグ味など)は水溶性です。山椒の実そのものを食べる場合には10分ほど茹でて実を柔らかくしたうえで3~4時間水にさらしてアクを抜きますが、ぬか床用の山椒の実を茹でるのは風味を立たせるためですのでアクはほとんど抜けていません。
他の料理に使う場合には不向きです。
山椒の実に含まれている辛味成分や精油成分は水に不溶です。アク抜きによりまったく抜けないわけではありませんが、特徴的な香りや辛味は残ります。アク抜きはあくまでもアク(苦味やエグ味など)を抜くために行われています。
ぬか床用にストックする山椒の実の保存方法は?
ぬか床の用の山椒の実の保存方法には2通りがあります。
アク抜きした山椒の実は冷凍保存か塩蔵します。冷凍保存の場合は「しっかり水気を切った上でフリーザーバッグなどに入れて空気を抜いて冷凍する」ことがポイントであり、塩蔵の場合には「正味重量の20%の食塩を加えて冷暗所で保存する」ことがポイントになります。
以下は冷凍保存と塩蔵の違いです。
- 冷凍保存:フレッシュな風味保たれる
- 塩蔵(常温保存):まろやかな風味に変化していく
これにより1年以上の保存が可能になります。
どちらが良いかは好み問題ですが、個人的には塩蔵(常温保存)をおすすめしています。塩蔵であれば冷凍庫を圧迫することがありませんし、熟成に伴い味が徐々に変化していく(まろやかになっていく)ことを楽しめます。
どちらにも一長一短があります。
まとめ・ぬか床に山椒の実を加える効果は?
山椒の実はぬか漬けのアクセントになります。
ミカン科のサンショウには華やかな香味があります。山椒の実の香味はぬか漬けとの相性が良く古くから親しまれています。また抗菌性や抗酸化作用があることからもぬか床が傷みやすい(異常発酵しやすい)盛夏などには重宝します。
好みにもよりますが、個人的にはおすすめできる食材だと考えています。