生き物を飼うためには特徴を把握している必要があります。
特に家畜(人間か生活において有用な価値をもたらす動物)を飼育する場合には、交配による品種や実用種特有の違いも把握している必要があります。ニワトリは大きく「卵用種(卵肉兼用種)」「肉用種」「愛玩用種」にわけられますが、ここでは卵用種(卵肉兼用種)のデータを軸に説明しています。
ちなみに私の飼っているニワトリは広く普及している実用種です。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- ニワトリはどのくらいで大人になるのか?
- ニワトリの経済的な寿命は?
- ニワトリの生き物としての寿命は?
多くの場合ニワトリはヒヨコから飼い始めます。
卵用種(卵肉兼用種)の場合、ニワトリはふ化後約150日で成鶏と呼ばれる姿になります。ふ化後2日までが初生びな、30日までが幼びな(幼すう)、30~60日までが中びな(中すう)、60~150日までが大びな(大すう)、150日以降が成鶏です。
中びなで購入した場合には90~120日ほどで成鶏になります。
ヒヨコが成鶏になるまでの変化は?
ニワトリは約150日で大人になります。
幼びな期は柔らかな幼綿羽に覆われていますが、中びな期には幼羽が生えそろうことでヒヨコとニワトリの中間のような見た目になります。さらに成長が進んで大びな期になると幼羽が成羽に生え変わり体も大きくなることからも立派な成鶏の姿になります。
ヒヨコは2度の換羽を経てニワトリになるということです。
幼びな期には「温度や湿度の管理」「餌付け」などの管理が必要になることからも家庭でのニワトリ飼育におきましては中びな期以降(ふ化後30日以降)での購入が安全です。ヒヨコ(幼びな)はとても可愛いものですが無計画な購入はおすすめしません。
鳴き声に関しては大びな期に「ピヨピヨ」から「コッコッコッ」に変化します。
ニワトリの経済的な寿命は?
ニワトリの経済的な寿命は2~3年ほどです。
養鶏業では卵用種(卵肉兼用種)の経済的な寿命は初産後長くても2年といわれています。ニワトリはふ化後150日ほどで初産をむかえ、210日ほどで産卵率のピークを迎えます。その後は月齢を経るにつれて産卵数を減少させます。このことからも経済的な視点での採卵鶏の寿命は2~3年ということになります。
以下は平均的な産卵率と卵重です。
産卵率 | 卵重 | |
---|---|---|
150日 | 50% | 49g |
210日 | 94% | 60g |
550日 | 65~70% | 67g |
問題は家庭で飼育されるニワトリの経済的寿命です。
養鶏業での卵用種(卵肉兼用種)の経済的な寿命は2~3年ほどになりますが、ニワトリの産卵が完全に停止するのは7~8年後になります。このことからも淘汰して食べるかペットとして飼い続けるかの判断には3年以上の猶予があることになります。
ニワトリを飼う以上は避けては通れない問題です。
ニワトリの生き物としての寿命は?
ニワトリの寿命は10年を超えます。
ニワトリの産卵率はふ化後210日ほどでピーク(94%)を迎え、55日後には65~70%まで低下します。このことからも養鶏業では2年ほど、一般家庭であっても5年以内にはだ鶏(著しく産卵率の低下したニワトリ)の淘汰が必要になってきます。
それ以降は家畜ではなくペットとしての飼育です。
だ鶏の淘汰は非常にセンシティブな問題ではありますが、ニワトリを飼育する以上は避けては通れません。飼育数が多い場合のペットとしての飼育は現実的ではありません。それであれば(肉質の問題からも)食べるための淘汰を遅らせすぎるのは良くありません。
まとめ・ニワトリの成長過程は?
ニワトリはふ化後150日前後で大人になります。
家庭でのニワトリ飼育ではふ化後30~60日の中びな(中すう)や60~150日の大びな(大すう)での購入が基本になります。その場合、購入後90~120日後には大人のニワトリ(成鶏)になり、経済的な寿命は2~3年ほど、生物としての寿命は10年ほどになります。
だ鶏の淘汰やペット化に関しては購入前に決めておくことをおすすめします。