キッチンハーブは役立ちます。

気軽にフレッシュハーブが使えると料理が楽しくなります。たとえばローズマリーやタイムなどは汎用性が高く栽培が容易であることからもおすすめできますし、ベランダがあれば月桂樹(ローリエ)やクチナシなども育てられます。

食べられる植物を育てることには観葉植物にはない楽しさがあります。

カヤカヤ

今回の記事は次のような人におすすめ!

  • キッチンハーブの用土を自分で配合するには?
  • ハーブの種類に応じた用土の配合例は?
  • 鉢やプランターの置き場所による配合の違いは?

鉢植えには適切な用土があります。

たとえば「赤玉土6:腐葉土4(または赤玉土7:腐葉土3)」に緩効性肥料を施せば多くの植物は問題なく生育しますが、ローズマリーには軽石を足して水はけをよくした方がよく育ちますし、ミントには調整済みピートモスを足して水もちをよくした方がよく育ちます。

市販の培養土も悪くありませんが、基本の配合方法を知っていると応用が利くようになります。

用土の基本について

土の配合は「赤玉土6:腐葉土4」が基本になります。

市販されている土には「あらかじめ数種類の用土がブレンドされている培養土」と「ブレンドされる前の原料である単用土」があります。○○用の土として販売されているのが培養土であり、赤玉土や鹿沼土などが単用土です。

また単用土にも基本用土や改良用土などがあります。

各種用土
基本用土 赤玉土、鹿沼土、川砂など
改良用土
(有機物)
腐葉土、植物性堆肥(バーク堆肥)、動物性堆肥(牛ふん堆肥や馬ふん堆肥)、もみ殻くん炭、ピートモスなど
改良用土
(無機物)
パーライト、バーミキュライト、ボラ土(日向土)、軽石など
その他 水ごけ、鉢底石など

これらを組み合わせていきます。

たとえばミントは根の生育が旺盛であるために基本用土(赤玉土6:腐葉土4)8に対して調整ピートモス2を加えることによりしおれにくくなりますし、ローズマリーは基本用土8に軽石(またはボラ土)2を加えることにより過湿を防げるようになります。

またブルーベリーなどは弱酸性の用土を好むために「赤玉土3:鹿沼土3:ピートモス4」などのように酸性土を中心とした配合にした方がよく育ちます。

ハーブに適した土の配合例とは?

ハーブを育てるための配合例を紹介します。

ハーブと呼ばれる植物は広範囲に及びます。たとえばバジルやルッコラは一年草のハーブ、ミントやオレガノは多年草のハーブ、ローズマリーやタイムは木本のハーブ、ユズやブルーベリーは果樹のハーブとして知られています。

すべてのハーブに適した配合というものはありません。

配合例
基本配合
(月桂樹など)
赤玉土6:腐葉土4
水もちが大切なハーブ
(ミントなど)
赤玉土5:腐葉土3:調整ピートモス2
水はけが大切なハーブ
(ローズマリーなど)
赤玉土5:腐葉土3:軽石2
酸性土壌を好むハーブ
(ブルーベリーなど)
赤玉土3:鹿沼土3:ピートモス4

これらの配合に緩効性肥料を施します。

ハーブの苗には簡単な特徴が書かれたプレートが付いています。たとえばコモンタイムのプレートには「乾燥気味で水やりは控える」と書かれていますので、水はけのよい「赤玉土5:腐葉土3:軽石2」の配合がおすすめということになります。

厳密に言えばより複雑にはなりますが、このくらいシンプルな考えでも問題なく育てていくことができます。

補足

調整ピートモスがない場合はピートモス1Lに対して約3gの苦土石灰をよく混ぜ合わせます。それによって酸性pHは中和されて汎用性の高い用土になります。アルカリ性の強い苦土石灰には(皮膚や粘膜に触れると炎症の原因になる可能性がありますので)ビニール手袋や保護メガネなどを使用してください。

置き場所による配合の違いは?

置き場所により配合が変わることもあります。

多くのハーブは基本配合(赤玉土6:腐葉土4)で育てることができます。しかし日陰で育てる場合には鉢土が乾きにくくなるために根の張りが悪くなります。そこで通気性をよくするための改良用土(軽石やボラ土など)を加えます。

このように置き場所によっても基本配合は変化していきます。

配合例
基本配合 赤玉土6:腐葉土4
日陰用の配合 赤玉土5:腐葉土3:軽石2
ベランダに置く場合の配合 赤玉土5:腐葉土3:バーミキュライト2
株が弱っている場合の配合 赤玉土5:腐葉土3:軽石2
室内で育てる場合の配合 赤玉土7:ピートモス3

バーミキュライトやピートモスにも意味があります。

ベランダに置く場合の基本配合にはバーミキュライトを加えます。ベランダは風通しが良すぎるために乾きすぎてしまうことがあります。そこで水もちの良いバーミキュライトを加えることにより急激な乾燥を防ぐことができます。

室内で育てる基本配合にピートモスを加えているのは、ピートモスが無菌の改良用土であるためです。室内で育てる鉢土に基本配合(赤玉土6:腐葉土4)を使用してしまうと腐葉土が小バエやカビなどの原因になる可能性がありますのでピートモスで代用します。

調整ピートモスがない場合にはpHを調整してから使います。

ハーブ専用培養土と単用土の違いは?

培養土はプロが配合した用土です。

育てたい植物(ハーブ)に適した専用培養土を使用すれば大きな問題は起こりません。また目的に応じてカスタマイズ(培養土8に対して軽石2を加えるなど)することも可能ですのでビギナーから上級者まで幅広く利用されています。

育てる種類が少なければおすすめできます。

  • ハーブ専用培養土:プロがハーブのために配合した土
  • 単用土での配合:基本配合をベースに微調整した土

しかしデメリットもあります。

専用培養土は「どこまで細分化されているのか?」「品質は大丈夫なのか?」などが問題になります。ひと言にハーブといってもミントとローズマリーでは配合が異なりますし、安い培養土には質が低すぎるものも少なくありません(※安すぎる培養土はおすすめしません)。

作業スペースがあるのであれば、基本的には単用土での購入をおすすめします。

まとめ・鉢植え植物の土の配合は?

土の配合には基本となる考え方があります。

このブログでは「赤玉土6:腐葉土4」を基本配合として考えています。基本配合に緩効性肥料を施しただけでも多くのハーブを育てることができます。水はけをよくするためには軽石を足す、水もちをよくするためには調整ピートモスを足すなどしてカスタマイズしていきます。

理屈を知れば植物の種類や置き場所に応じた配合ができるようになります。