
タケノコはアク抜きをしてから調理されます。
新鮮なタケノコは(ゆでなくても)やわらかくてえぐ味も感じません。しかし時間がたつとかたくなり、えぐ味が出てくることになります。タケノコのえぐ味はホモゲンチジン酸やシュウ酸などによるものですが、タケノコのシュウ酸は掘ってから24時間で2~3倍に増えることが知られています。
そのためにタケノコの調理にはアク抜きが欠かせません。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- タケノコのアク抜き方法を知りたい。
- タケノコのアク抜きに米ぬかを用いる理由は?
- 米ぬかがない場合はどうすればよいのか?
タケノコのアク抜きには米ぬかを使います。
米ぬかを加えた水で湯がくことによって「水に溶け出たえぐ味(アク)がデンプン粒子に吸着されることで再吸収されにくくなる」「米ぬかに含まれている酵素がタケノコに作用してやわらかくなる」などのメリットが得られるためです。
米ぬかが手に入らない場合には米のとぎ汁を用います。
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タケノコのアク抜き方法は?
タケノコは早めに処理します。
入手したタケノコをそのままにしておくと「かたくなる」「えぐ味が強くなる」などのデメリットが生じます。そのためすぐには食べない場合であっても後回しにせずに早めに処理することをおすすめします。
アク抜き後のタケノコは、水に浸けて冷蔵庫に入れておけば1週間ほどは保存できます。
タケノコは部位により用途が異なります。
見た目がきれいでやわらかい姫皮は吸い物や和え物など、やわらかいがアクの強い穂先や食感の良い中央部は天ぷらなど、繊維が密でかたいが味の良い根元は炒め物や炊き込むご飯などといった具合です。
またアク抜き後のタケノコを乾燥させて食感を変化させることもできます。
アク抜きに米ぬかを用いる理由は?
米ぬかを用いることでアクが抜けやすくなります。
タケノコのアク(えぐ味の原因成分)はホモゲンチジン酸やシュウ酸です。これらの成分はゆでることにより水の方に出て分散しますが、そのままではタケノコに再吸収されてしまうために上手にアク抜きすることはできません。
そこで米ぬか(デンプンコロイド)に吸着させて取り除きます。
必ずしも米ぬかである必要はありません。
米ぬかを用いる理由には「アク成分をデンプン分子に吸着させること」「えぐ味成分であるホモゲンチジン酸は酸性であるためにアルカリ性の米ぬかを使うと取り除きやすくなる」などがありますので、米のとぎ汁や小麦粉で代用することもあります。
しかし小麦粉にはタケノコをやわらかくする作用がありませんので、可能であれば米ぬかや米のとぎ汁を用いることをおすすめします。
アク抜きでタケノコが柔らかくなる?
米ぬかと皮には軟化効果があります。
米ぬか(生の米ぬか)には多くの酵素が含まれています。そのためタケノコのアク抜きは米ぬかを加えた水からゆで始めます。多くの植物酵素は50~60℃で活性が最大になりますので、水からゆでることにより酵素の働きでタケノコはやわらかくなります。
酵素は70℃付近まで失活することなく働き続けます。
タケノコの皮には還元性の亜硫酸塩が含まれています。亜硫酸塩には繊維を膨潤させてやわらかくする働きがあります。しかし皮を剥いてしまったからと言って食べられないほどにかたく仕上がるわけではありませんので、用途によっては皮を剥いてからゆでても問題はありません。
また亜硫酸塩には酸化を防ぐ作用もあるためにタケノコが白くゆで上がるというメリットもあります。
まとめ・タケノコのアク抜き方法は?
タケノコのアク抜きには米ぬかが用いられます。
米ぬかを使うことによって「水に抜け出たアクが米ぬかのデンプン粒子に吸着される」「米ぬかに含まれている酵素の働きによってタケノコがやわらかく仕上がる」などのメリットが得られるためです。米ぬかがない場合は米のとぎ汁で代用することもできます。
また皮を剥かずにゆでることによって「やわらかく仕上がる」「白く仕上がりやすい」などのメリットも得られます。