
小麦粉に加える水分にはおおよその割合があります。
小麦粉は水と混ぜることにより生地になりますが、小麦粉と水の割合により生地の状態は大きく異なるものになります。たとえばパン生地や餃子の皮などは手でこねられる水分量、天ぷら衣やスポンジケーキなどは流れる水分量に調節されます。
おおよその目安を知っていると普段の調理においても便利です。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- 小麦粉の加水率による生地の違いは?
- 加水率の違いによる調理例は?
- 卵などを加える場合の加水率はどうなる?
小麦粉は加水率によって状態が変わります。
手でこねられるくらいの硬さの小麦粉生地はドウ(dough)、それよりもゆるい生地はバッター(batter)と呼ばれています。パン生地などは「小麦粉100gに対して水50~60g(加水率50~60%)ほど」ですが、天ぷら衣などは「小麦粉100gに対して水160~200g(加水率160~200%)ほど」です。
前者がドウ、後者がバッターです。
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小麦粉と水の割合による違いは?
小麦粉生地は水の割合により変化します。
たとえばパン生地や餃子の皮のように手でこねられる硬さの小麦粉生地はドウ(dough)と呼ばれていて加水率は50~60%です。天ぷら衣やスポンジケーキなどのように連なって流れる程度の小麦粉生地はバッターと呼ばれていて加水率は160~200%程度になっています。
以下はおおよその目安です。
生地の状態 | 調理例 | |
---|---|---|
50~60% | 手でこねられる | パン、餃子の皮など |
65~100% | こねにくいが流れもしない | パン、ロックケーキなど |
130~160% | ボテボテしているが流れる | ホットケーキ、パウンドケーキなど |
160~200% | 連なって流れる | 天ぷら衣、スポンジケーキなど |
200~400% | さらさら流れる | クレープ、お好み焼き生地など |
一般的なパン生地の加水率は65%前後です。
パン生地の場合、ベーグルなどの加水率は60%未満、一般的な食パンなどの加水率は65%前後、カンパーニュなどの加水率は70%以上となります。そのためカンパーニュなどのようにこねにくいパン生地の場合にはオーバーナイト法(低温長時間発酵法)のように(あまり)こねない手法がとられることもあります。
小麦粉生地に問題が生じた場合には加水率を見直してみることをおすすめします。
材料による換水値は?
水以外の材料には換水値を利用します。
換水値とは材料を水に換算した場合の値です。とても便利な値ではありますが、あくまでも生地の硬さに対する換算値となりますので、料理の出来上がりの硬さを調節するためのものではありません。その点には多少の注意が必要です。
おおよそ以下のような値になります。
- 砂糖:0.6~0.4(水分の多い生地~少ない生地)
- 卵:0.8
- 牛乳:0.9~1.0
- バター:0.7(温度により変化)
砂糖は少し特殊です。
砂糖は水に溶けやすいために換算値は生地の水分量の影響を受けます。たとえば水分量の多い生地の場合には0.6程度で問題ありませんが、水分量の少ない生地の場合には0.4程度まで小さくしなければ水分量が不足します。
パン生地の砂糖を減らすと乾燥しやすくなるひとつの要因でもあります。
まとめ・小麦粉に加える水の割合は?
小麦粉と水にはおおよその割合があります。
小麦粉生地はパン生地などのように手でこねられるものをドウ(dough)、天ぷら生地などのようにこねられないものをバッター(batter)と呼ばれています。小麦粉生地の料理に失敗する原因の多くは加水率にありますので、失敗を繰り返してしまう場合には加水率や材料による換算値を見直してみることが大切です。
もちろんレシピの改善にも役立つ考え方です。