圧力鍋は調理時間の短縮になります。

圧力鍋は1.5~2.0kg/cm2ほどの圧力をかけることにより内部温度を115~120℃ほどまで上昇させています。これにより「時間短縮につながる」「食材が柔らかくなりやすい」などのメリットが得られています。

しかし内部の確認が困難であることにより「調理時間の設定が難しい」というデメリットも生じます。

カヤカヤ

今回の記事は次のような人におすすめ!

  • 圧力鍋の加熱(加圧)時間の設定方法は?
  • 普通の鍋を使用するレシピを圧力鍋に置き換えたい。
  • 加熱過剰にならないための注意点は?

圧力鍋での調理時間は大気圧下での20~30%ほどになります。

この数値は加圧による鍋内温度を「10℃2倍則(温度が10℃高ければ劣化は2倍になるという法則)」に当てはめていくことで導き出されます。低圧約118℃、高圧約123℃になる圧力鍋での加圧時間は大気圧下での20~29%でよいということになります。

2時間煮込むレシピであれば、約24~35分まで短縮できます。

大気圧下でのレシピを圧力鍋に置き換えるには?

加圧時間は「10℃2倍則」で導き出せます。

圧力鍋は1.5~2.0kg/cm2で加圧することで鍋内温度を115~120℃まで上昇させることのできる調理鍋ですので、加熱温度が15~20℃高くなるという特徴を「10℃2倍則(温度が10℃高ければ劣化は2倍になるという法則)」に当てはめることで同等の加熱時間を知ることができます。

L=L0・2(T0-T)/10

以下は田口技術士事務所様が公開している計算ツールに「ティファール アクティクックシンプリー」の数値を当てはめています。

  • L0:レシピの調理時間

    T0:大気圧での沸点(100℃)

    T:圧力鍋の温度(沸点)

  • 低圧:L=1h・2(100-117.9868)/10=0.287437

    高圧:L=1h・2(100-123.4447)/10=0.196899

この圧力鍋は1時間を0.20~0.29時間に短縮できるということです。

たとえば大気圧下での煮込み時間が1時間30分であれば、低圧で26分ほど、高圧で18分ほど加圧すればレシピを置き換えることができます。加熱温度が高いことにより「異なる仕上がりになることが多い」というデメリットはあるものの、良くなることもあります。

煮豆などに好まれているのは加熱温度が高いことによるメリットが大きいためです。

減圧時間による影響を最小限にするには?

減圧時間が問題なることがあります。

圧力鍋は1.5~2.0kg/cm2で加圧することで鍋内温度を115~120℃まで上昇させていますので、減圧させなければ蓋を開けることができません。圧力鍋は加熱温度が高いために加熱時間が長すぎると加熱のし過ぎになります。

そのためレシピを置き換えた場合には急冷して減圧させるようにします。

すぐに圧力ぶたを開けたい時:次の2つの方法があります

  • 方法1

    セレクターをゆっくり○マークへ回して中の蒸気を排出して圧力を下げます。

  • 方法2(急冷)

    タイマーを本体からはずします。圧力ぶた部分に蛇口から流水を1分程度かけて内部の圧力を下げます。(なべの中に水が入る場合がありますので、コントロールパネルに水がかからないようにしてください。)

減圧方法は圧力鍋により異なります。

上記の圧力鍋(ティファール アクティクックシンプリー)は現行品ではありませんので、現行品とは多少の違いがあります。また昔ながらの圧力鍋の場合には水をかけて急冷させる方法一択となりますのでお使いの圧力鍋の取扱説明書に従ってください。

減圧の有無は料理の仕上がりに大きく影響します。

圧力鍋の料理は仕上がりがブレやすい?

圧力鍋の料理が大気圧下での料理と同じになることはありません。

大気圧下での料理(一般的なレシピの料理)では80~100℃程度の温度帯で調理されていますが、圧力鍋は115~120℃ほどまで温度を上昇させます。10℃2倍則(温度が10℃高ければ劣化は2倍になるという法則)でも分かるように温度の影響力は大きなものです。

そのため意図的に加圧時間を短くして大気圧下で仕上げることもあります。

また温度の影響力は食材ごとに違ってきますので、大気圧下で何時間加熱したとしても起きない変化が圧力鍋では短時間で起きることもあります。このことからも一般的なレシピに圧力鍋を使用してしまうと本質的なレシピの再現は不可能になります。

また料理を確認して加熱時間の微調節ができないこともデメリットといえます。

まとめ・圧力鍋による加圧時間の目安は?

圧力鍋での加熱料理は大幅な時短になります。

圧力鍋は1.5~2.0kg/cm2で加圧することで鍋内温度を115~120℃まで上昇させています。10℃2倍則(温度が10℃高ければ劣化は2倍になるという法則)に当てはめていくと、加熱時間は大気圧下での調理と比べて20~30%ほどになります。

仕上がりが同じになるとは限りませんが、多くのレシピは圧力鍋に置き換えることができます。